コロナ影響による暮らしの変化も 3133人に聞いた「引越したい」と思った瞬間ランキング―引越し調査2021―
公開日 2021年09月01日
進学、就職、結婚など「引越し」をする理由やきっかけはさまざまですが、最近では、コロナ禍の影響も少なくないようです。そこで「SUUMO引越し見積もり」では、全国の10代〜60代の男女3133人にアンケートを実施。どんなときに引越したいと思うのか、世の中の変化が引越しに影響を与えているのか、調べてみました。
■目次
・引越したいと思った瞬間を大調査
・コロナ禍での影響を挙げるコメントも
・SUUMO副編集長に聞く、コロナによって加速した暮らしの変化
・まとめ
引越したいと思った瞬間を大調査
人々がどんな瞬間に「引越したい」と思うのか、アンケート調査を実施したところ、上のグラフのようなランキング結果に。このうち「その他」と「特にない」を除く1位から5位までの項目について、具体的にどんな瞬間に引越しを考えたのか、コメントを集めました。
●1位…入学・入社・転職などのライフイベントの節目
◉ 娘が他県の中学に入学。県をまたいでの長時間の電車通学はコロナの感染リスクが高くなるため、学校の近くに引越しました(中国エリア/女性/40代)
◉ コロナの影響で、転職するために引越した。郊外のほうが広い家で暮らせるし、転職もうまくいってよかったです(中部エリア/女性/50代)
◉ 結婚を機に引越し。転職もして収入が減ったので、しっかり貯蓄ができるよう、家賃の安いところへ引越しました(北海道エリア/女性/10-20代)
●2位…住んでいる家に不具合が起こったとき
◉ リノベーション済みのきれいな部屋でしたが、築40年経って老朽化により給水管が破裂。修理までに時間かかるとのことで引越しました(近畿エリア/男性/30代)
◉ 日当たりが悪く、カビが生えやすい部屋でした。コロナ禍で在宅勤務が続き、夏場のカビだけはどうしても我慢できず、引越しました(関東エリア/女性/10-20代)
◉ 給湯器が壊れ、お風呂に入れなくなったので。コロナが流行り始めた中、赤ちゃんを連れて片道30分かけて銭湯に通うことに限界を感じました(東北エリア/女性/30代)
●3位…隣人が苦手な人だったとき
◉ 隣人が連日連夜、友人とどんちゃん騒ぎ。何度も管理会社に連絡、警察にも通報しましたが、一向に改善する見込みがなく、引越しを決意(関東エリア/男性/10-20代)
◉ 向かいの住人から言いがかりをつけられて不快な気持ちに。その一件以降、外に出るたびに不安を感じるようになり、住みにくくなりました(東北エリア/女性/10-20代)
◉ 30分に1回ベランダでタバコを吸う隣人。洗濯物にニオイが付くし、換気しようと窓を開けるとニオイが部屋の中に入ってきます。家にいる時間が長くなった今、ますます気になるようになり、引越すことにしました(関東エリア/女性/10-20代)
●4位…給料が下がったとき・上がったとき
◉ 給料が下がり、賃貸の家賃が相対的に高くなり家計を圧迫し始めたため、もともと考えていた地元への転居を検討しています(関東エリア/男性/40代)
◉ 夫婦ふたりともボーナスがなくなったり減ったりして収入が下がり、今の家賃を払っていくのがつらくなったので(関東エリア/女性/30代)
◉ 二人暮らしには狭いアパートでしたが、二人ともテレワークが始まって不満が爆発。そのうち引越さなければと話していましたが、あるとき給料が上がることが決まり、重い腰を上げるきっかけとなりました(関東エリア/女性/30代)
●5位…自分よりいい家に住んでいる友人の家に遊びに行った後
◉ 前の家は1Kで狭くて暗くてジメジメ。友達が引越した新居に行ってみたら、日当たりもよく、広々して良かったので、引越しを決意しました(近畿エリア/女性/10-20代)
◉ 友人の持ち家に行ったら、壁に穴を開けてテレビを壁掛けにするなど快適にカスタマイズしていて、羨ましく思ったので(関東エリア/女性/30代)
◉ 同僚が建てた家に行って、テレワークとプライベートの空間を分けられるよう間取りや設備に工夫しているのを見て、家の新築と引越しを決意しました(近畿エリア/男性/10-20代)
コロナ禍での影響を挙げるコメントも
引越したいと思った瞬間1位〜5位の具体的なコメントを見ていくと、きっかけが何であろうと、少なからず「コロナ禍での暮らしの変化」が垣間見られます。
「収入の変化によって引越しを余儀なくされた」、「テレワークがしやすい間取りに住む必要が出てきた」など、直接的にコロナの影響を受けた人に加え、「入学を機に、通学電車での感染リスク低減を考えた」、「家の不具合がテレワークでより不便に感じられた」「苦手な隣人がより気になるようになった」など、間接的に影響を受けた人も多いよう。
コロナ前には想像しなかったであろう理由で引越しを考える人が増えていることがわかります。
SUUMO副編集長に聞く、コロナによって加速した暮らしの変化
実際、コロナによって仕事や住まいはどのように変化し、人々の「引越し」に影響を与えているのでしょうか。
「コロナ前と比べると、都心の便利さより、郊外で得られる広さを重視する傾向が強まっています」とSUUMO副編集長の笠松美香氏(以下同)。「住まい探しにおいて『駅からの距離』と『広さ』のどちらを重視するかを聞くと、コロナ前までは首都圏では『駅からの距離』という回答が『広さ』を上回っていました。それが2020年の9月には『広さ』派が20ポイント以上、上回る結果となりました。この傾向は全国でも同様です。
こうした傾向の背景のひとつと考えられるのが、都市部を中心としたテレワークの普及。「1回目の緊急事態宣言に伴い、テレワークを導入する企業が増えましたが、その後、働く人たちの間でもテレワークを続けたいという意向が強まってきました。その結果、住まい探しにおいても、通勤アクセスの良さにこだわる必要性が以前ほどなくなりつつあります。むしろ、少し遠くなってもゆったりとした住環境を求める人が増えてきているようです」
テレワークに加え、副業OKの企業も増えてきているなど、働き方の自由度にも大きな変化が。「IT系のベンチャー企業だけでなく、古くからの大企業や、大手都市銀行などでも副業を認めるところが増えてきました。自社から支払う給料だけに頼り切らないで、さまざまな可能性を広げてもらおうと、むしろ副業を推奨するような動きに変わりつつあるといえます」
副業も在宅でできるものなど、通勤を必要としない働き方の選択肢も増えているため、「子どもの教育のために都心から離れて郊外に住むという人も増えてきました」
この状況は今後もしばらく続くのでしょうか。
「企業側は、テレワークや副業など自由な働き方ができる体制を整えることで採用競争に有利になろうとする。働く側も、特に若い人を中心に、より自由な働き方ができることを優先して会社を選ぶ人が増えていく。その結果、『交通アクセスより広さ』という住まい選びをするというニーズは、コロナの問題が解決したとしても一定、残り続けると見られています」
まとめ
引越しをしたいと考えるきっかけは「入学・入社・転職」など、引越しせざるを得ないライフイベントの節目が最も多いのは当然ですが、それ以外の理由においても、コロナの影響を色濃く反映したコメントがたくさん見受けられました。コロナ禍でライフスタイルや働き方に少なからず変化があった人が多いことが伺えます。
●調査概要
・調査期間:2021年3月10日~2021年3月12日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:マクロミルモニタ 18~69歳の男女。直近1年以内に引越し会社を利用して引越し、かつ「引越し先の物件選び・荷造り・引越し会社への見積依頼・引越し会社の決定」のすべてに関与した人
・有効回答数:3133
・調査機関:株式会社マクロミル
●画像:PIXTA
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