住民票を移す方法を解説!引っ越し時に必要なものや本人以外が手続きする方法も
最終更新日 2024年12月16日
ガスや電気、運転免許証、インターネットの開通、郵便物の転送手続き……。引越しとなると、住所変更をしなければならないものがたくさんあります。なかでも、住民票の変更は転居後に行うものなので、新生活の準備に追われるうちに忘れてしまいがちです。
しかし手続きをしないと、住所が現行化されず、重要な書類の住所変更ができないなどさまざまな支障が発生する可能性があります。ここでは、住民票を移す手続きについて解説します。
■目次
- 住民票を移す際の大まかな流れ
- 住民票の異動手続き方法は主に2パターン!
- 元の住所と同じ市区町村に引越しをする場合の手続きと必要なもの
- 元の住所とは違う市区町村に引越しをする場合
- 1. 転出届
- 「転出届」の手続きで必要なもの
- 2. 転入届
- 海外に引越しをする場合の手続きと必要なもの
- どうしても市区町村役場へ出向くのが難しい場合|本人以外でも手続き可能
- ■転居届・転出届
- ■転入届
- オンライン上で住民票を移す方法も
- 住民票を移さないでそのままにしたらどうなる?
- まとめ
住民票を移す際の大まかな流れ
住民票の移し方は引越し先によって異なりますが、大まかな流れは以下の通りです。
- 引越す前のエリアを管轄する役所で「転出届」を出す
- 引越し先のエリアを管轄する役所で「転入届」を出す
「このエリアから出ていく」ことを伝えるのが転出届、「このエリアに新しく入ってきた」ことを伝えるのが転入届です。つまり、同じ市区町村内で引越しをする場合は、転出届も転居届も提出する必要がありません。
代わりに、自分の住まいのエリアを管轄する役所に「転居届」を出すことになりますが、どのパターンであっても届け出ただけで終わりというわけではありません。次に紹介する住民票の異動手続き方法を参考にしながら手続きの準備をしてみてください。
住民票の異動手続き方法は主に2パターン!
役所関係の手続きには、何となく手間がかかり複雑だというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。やり方を調べてもよく分からず、後回しにしていたら数カ月過ぎていた、なんてこともあるかもしれません。
しかし、注意してほしいのは、住民票の異動(移動)は住民基本台帳法で定められた義務だということです。14日以内に届け出を出していないことが発覚した場合、第二十三条と第五十二条の違反により、最大5万円の過料を科せられる場合もあります。
まずは、住民票を移す際のパターンを念頭に置き、忙しい中でも効率よく手続きをしましょう。
住民票異動(移動)のパターンは次の2通りです。
- 元の住所と同じ市区町村に引越す場合
- 元の住所とは違う市区町村に引越す場合
それぞれのケースを解説します。
元の住所と同じ市区町村に引越しをする場合の手続きと必要なもの
現住所と同じ市区町村の中に引越す場合は、最寄りの役所に「転居届」を出すのみです。新しい住所に住み始めたら14日以内に役所で手続きを行います。
役所の窓口に備え付けられている「住民異動届」の「転居届」にチェックを入れて、必要項目を記入してください。転居届が受理されると住民票を「異動(移動)」したということになり、次回からは新しい住所が記載された住民票の発行が可能です。
手続きに必要なものは官公署発行の顔写真付証明書などの本人確認書類と印鑑です。
本人確認書類の例としては以下のようなものがあります。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- 写真付き住民基本台帳カード(カード記載の有効期間まで)
- パスポート
なお、健康保険証や年金手帳も本人確認書類になりますが、これらは顔写真が貼付されていないため、2枚提示する必要があるので気を付けてください。
また、引越しをする本人が届け出するのであれば、印鑑がなくても手続きができる役所もあります。各役所のホームページなどで、印鑑が必要かを事前に確認することをおすすめします。
ただ、転居届の手続きに印鑑は必要なくても、それ以外の手続きで必要になることもあります。例えば、引越しに伴う原動機付自転車の標識交付証明書の手続きや児童手当の手続きの際は、本人書類の他に印鑑が必要になるので、用意していくといいでしょう。
手数料は無料で、転居届を出すだけであれば時間はそれほどかかりません。しかし、3月下旬〜4月上旬の引越しシーズン、特に混雑が予想される午前11時~午後2時ごろの時間帯は、避けた方が無難です。
元の住所とは違う市区町村に引越しをする場合
元の住所とは違う市区町村に引越しをする場合は、以下の手順を踏むことになります。
- 元の市区町村に「転出届」を出し「転出証明書」をもらう
- 引越し先の市区町村に転居後に「転入届」を出す
「転入届」が受理された時点で住民票を「異動(移動)」したということになり、引越し先の役所で新住所が記載された住民票を発行できます。それぞれの具体的な方法を説明します。
1. 転出届
現住所の市区町村にある役所窓口に、必要事項を記入した「住民異動届」を提出します。
転出届を出していないと、引越し先の役所で転入届を受け付けてもらえません。引越し日のおよそ2週間前から手続きできるので、どんなに忙しくても、引越し日までに転出の届け出は済ませておきましょう。窓口で渡される「転出証明書」は、転入届を出す際に必要になるので、なくさないようにしてください。
自治体によっては、土曜日に届け出を受け付けているところや、毎月定められた週末で受け付けてくれますので、平日に手続きをするのが難しい方は、土・日曜日も窓口で対応しているかどうか、自治体のホームページで確認してみましょう。
「転出届」の手続きで必要なもの
「転出届」の手続きでは、以下の2点を用意します。
- 本人確認書類
- 印鑑(認印可)
なお、転居届と同じく、引越す本人が手続きする場合、本人確認書類だけで転出届が受理される役所もあります。とはいえ、先ほども記載したように、転出届以外で印鑑が必要になることも考え、持っていくことをおすすめします。
また、転出届には転居後の新住所を記載する欄があるので、新住所が決まっていたらメモしてください。また、新住所が確定していなくても届け出は可能です。役所に事情を話し、市区など分かるところまででも記入しておきましょう。
2. 転入届
転居後14日以内に、新しい住所の最寄りにある市町村区の役所で手続きをしてください。14日を超え、超過の理由が悪質と見られた場合には、裁判所から過料を科されることもあるので注意してください。
「転入届」の手続き自体は、同一市区町村への引越し(転居届)と変わりませんが、必要書類に、転出届の時に窓口で渡された「転出証明書」が加わります。
届け出自体は簡単なものの、引越し時期や時間帯によっては窓口が混雑し、予想外に時間を取られてしまうこともあるでしょう。役所によっては混雑状況をホームページなどでお知らせしている場合もあるので、確認してみてください。
また、転入届を出すときに、住民票を余分に2枚ほど発行しておくと、運転免許証の住所変更や賃貸契約を結ぶ際などに便利です。発行手数料は、どこの役所でも1枚およそ300円前後です。
海外に引越しをする場合の手続きと必要なもの
海外へ引越しをする場合は、「国外転出届」を引越す前のエリアを管轄する役所に提出します。転出届と同様、出国予定日のおよそ2週間前から手続きできます。
出国する当日までに届け出ましょう。必要書類は、本人確認書類とマイナンバーカードです。国外転出届には転出先の住所の記入を求められます。
国外転出届の提出が求められる条件ですが、海外に滞在する期間が1年未満であれば届け出る必要はありません。短期的な出張や留学の場合は、滞在予定期間を見て、届け出る必要があるか判断してください。
ちなみに、通常は海外を拠点にしていて、日本に帰国する場合、日本に1年以上滞在する予定であれば、転入届を出す必要があります。提出期限は、新しい住所に住み始めてから14日以内です。
必要な書類は、本人確認書類、入国日を証明する書類(パスポートや搭乗券)、戸籍謄本などがありますが、市区町村によって異なるため、事前の確認が必要です。
どうしても市区町村役場へ出向くのが難しい場合|本人以外でも手続き可能
住民票を移す具体的な方法は分かったけれど、忙しくて自分で手続きが行えない。あるいは、急に決まった引越しで気が付いたら引越し予定日が目前だけれども、自身が手続きしなければならない自治体は土・日曜日に対応していない! 自分以外の人でも手続きが可能なら焦らなくて済むのに……そんなシチュエーションもあるかもしれません。
そんなときは、代理人による手続きも可能です。
代理人が本人と同一世帯の場合、必要書類は本人確認書類のみとなります。しかし、それ以外のケースで代理人を立てるときには注意しなくてはなりません。必要書類が変わり、転居届・転出届・転入届のそれぞれで、以下のものが必要です。
なお、後ほど詳しく解説しますが、今はオンラインで手続きをするという選択肢もあります(オンラインは本人が手続きを行う)。
■転居届・転出届
- 委任状(申請者本人の自署・押印が必要)
- 代理人の印鑑
- 代理人の本人確認書類
■転入届
- 委任状(申請者本人の自署・押印が必要)
- 代理人の印鑑
- 代理人の本人確認書類
- 転出証明書
繰り返しますが、「転入届」は「転出届」を出していないと手続きできません。転出届の場合は特に、代理人の方と早めに連絡を取り合い、速やかに「転出証明書」を手に入れるようにしてください。
委任状は、一般的に各市区町村のホームページからダウンロードできるので、確認してみましょう。なお、転出届だけであれば役場へ行かず、郵送で取り寄せることも可能です。
オンライン上で住民票を移す方法も
住民票に関する手続きは、オンラインでできるものもあります。オンラインで届け出られるのは、「転出届」です。引越し先のエリアを管轄する役所への提出が必要な「転入届」は、オンラインで対応していません。(ただし来庁予約はオンライン上で可能)
また、オンラインでの手続きが可能な転出届に関しても、手続きに不備がある場合は、来庁するよう連絡がくるケースがあります。
転出届の手続きをオンラインで行う場合は、マイナポータルを使います。マイナポータル内の「引越し手続について」にアクセスし、表示される指示に従って手続きを進めましょう。ただし、自治体によってはオンラインの手続きに対応していないこともあるため、事前に確認しておくことが大切です。
住民票を移さないでそのままにしたらどうなる?
先述したように、住民票の異動は法律で定められた義務です。住民票を移さないまま期限である14日を過ぎると、最大5万円以下の過料の支払いを求められるケースもあります。何かとお金が必要になる引越し、無駄な出費を防ぐためにも、必ず届け出ることが大切です。
なお、住民票を移さないことによる弊害は、過料の徴収だけではありません。例えば、選挙で投票できないということが挙げられます。選挙での投票は、転入届をした日(その市区町村で住民票がつくられた日)から引き続き3カ月以上、転入先の市区町村の住民基本台帳に記録されている人が対象になるため、速やかに届け出る必要があるのです。
他にも、行政サービスが受けられず不便になるというケースも見られます。出産・育児・介護の補助金制度を受けられないだけでなく、公共施設のサービスを十分に利用できないなど、さまざまな場面で不利益を被る可能性が高いです。
何度もお伝えしていますが、住民票の異動手続きは引越しの2週間前から可能です。できるだけ速やかに届け出ましょう。
まとめ
引越し直前まで仕事が忙しく帰宅も遅い、平日に休暇も取りづらい、というような方も少なくないでしょう。しかし、引越しをして住所が変わる際には必ず必要な手続きです。忙しさを理由に怠らず、必ず早めに済ませておいてください。
住民票の変更は、方法さえ分かれば、手続きそのものは簡単です。時間と手間を節約するためにも、早いうちに住所を移しておくのが得策です。
なお、地域によっては手続きの方法などが若干異なる場合もあるので、事前に、各市区町村役所のホームページで確認することも忘れないようにしてください。
画像/PIXTA
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