引越しを一人で盛大に祝いたいから、「無限にテープカットできるアイテム」をつくった
最終更新日 2022年03月08日
こんにちは、無駄なものをつくっている藤原麻里菜です。
私は今までに5回ほど引越しを経験しました。1回目は、実家から中野のボロアパートへ。2回目はボロアパートに耐えきれなくなって、ちょっときれいなマンションへ。そこから身内にいろいろあって実家へ戻って、1年後に仕事の関係で東京の極狭ワンルームに。2年くらい住んだけれど、狭さに耐えきれなくなって、治安は悪いが内装が自分好みのマンションへと引越して今に至ります。
共用スペースに灰皿が置いてあったり、自転車が無造作に放置されていたりしますが、そんな雰囲気が「身の丈にちょうどぴったり」なので大好きです。
昔住んでいた生活感がすごい6畳ワンルームとテンションの高い私
しかし、今振り返ると、「あんまりちゃんとした引越しをしてこなかったな」とも思います。
ボロアパートからは逃げるように引越したし、実家に戻ったときはとても急いでいたし、実家から出て東京にまた部屋を借りたときも「(家賃が)安くて仕事に便利な場所だから」とテキトーに決めて引越してきました。
ところで、日本には“引越し祝い”という文化があります。つまり、引越しというのは、祝われるものなのです。でも、今まで祝われたこと、ないな……。それは、テキトーな引越しをしてきたせいだし、祝ってくれる友達の少なさにも関係してきます。
お祝い事というのは受動的なことが多くて、一人でパーッとお祝いすることってあんまりないのかもしれませんが、今は個人の時代! 友達がいるいないにかかわらず、引越しを祝える方法があったら、最高なんじゃないでしょうか。
お祝い……お祝いといえば、テープカットが思いつきます。新しい公共施設とか、商業ビルが開店するときに行われるあのテープカット……。
テープカットというのは、新しい施設などの「披露」と「門出」をお祝いするための儀式だそうです。これって、コンセプト的にも、新生活の始まりを祝う引越祝いにぴったりじゃん! これ、私もやりたいな。
引越しをして、例えば新しいお茶碗を使うとき、新しく買った家具を設置するとき、そんなふうにいろいろなシチュエーションで気軽にテープカットができたらテンションが上がるはずです。よし、テープカットができるアイテムをつくるぞ!
「無限テープカット」をつくってみよう
「無限テープカット」の設計図
……と決心したはいいものの、テープカットに使う道具はデカいし、一度切ってしまったらもう2回目はないし、それに威厳のある人が必要になります。家に知らない人を呼ぶのは気が引けるし、それに、威厳のある人のあてもありません。
という経緯で考えついたのは、一人で無限にテープカットできるグッズ。私の技術を総動員して、つくってみましょう。
まずは、威厳のある人から。パソコン上でIllustratorというソフトを使い、データの設計をしていきましょう。権威ありそうな人たちの写真はフリー素材サイトにお金を払ってダウンロードしました。お金があればなんでも手に入るね。テープの位置を考えて、おへその上で両手を組んでいるおじさまがたを選んでみました。
この方々を囲むように線を描いていきます。ちなみに、左上の丸いものは、土台になります。
こんな感じで線を引きました。ジャニーズアイドルが表紙の雑誌の書影みたいになっちゃった。
次に、透明のアクリル板を用意し、レーザーカッターで加工をしていきます。Illustratorで引いた線のとおりにレーザーがアクリルを切っていきます。
では、次に、プリントアウトしたおじさまたちを線に沿ってきれいに切り取っていきます。ここは丁寧な仕事が期待されます。
こんな感じできれいに切り取ることができました。おじさまをきれいに切り取るの、けっこう上手かもしれません。そういう仕事があったら、ぜひ藤原麻里菜にお任せあれ。
これがレーザーカッターで切り抜いたおじさまたち。
表面の茶色い保護シートを剥がしたら、このアクリルの裏に、プリントアウトしたおじさまを透明のセロテープで貼り合わせていきます。
幅の太い透明のセロテープを使うことで、貼り付け面が汚くならず、クリアな仕上がりになります。はみ出たセロテープはデザインカッターできれいに切り取ります。そして、
丸い台にはめて、おじさまのアクリルスタンドが完成しました。やったー! おじさまのアクリルスタンドだ! 威厳がすごいぞ!
おじさまアクスタをつくってすごく満足してしまったのですが、そういえばテープカットができるアイテムをつくろうとしていたのでした。では、次に、とても大切なテープの部分をつくっていきましょう。赤と白のリボンを用意してみました。
なんかテープカットのとき、こういうモシャモシャしたやつがついていた気がする……。なんか、こうモチャッとした……。いや、こうじゃないか……。ううん……? 勘でつくったので、もやもやしたものが出来上がってしまいました。でも、雰囲気は伝わるはずです(編注:調べたところ、花を模した「ボウ」という飾りのようです)。
グルーガンでアクリルスタンドに接着剤を吹きつけ、それらをすべてくっつけていきます。おお、それっぽいぞ……!
真ん中はテープを半分に切り、テープの端っこを磁石でくっつけることにしました。磁石の力で無限にテープカットができるといういたってシンプルな仕組みです。子どものアイデアです。テープカットするときは、はさみと磁石がくっつかないよううまく動かしてくださいね。
「無限テープカット」で祝ってみた!
「無限テープカット」が完成しました! これでテープカットし放題だぜ!
いえーい! みんな準備はいいかい?
例えば引越し先で新しいお椀を使う前。普段だったら何の儀式もせずにそのまま使ってしまいますが、これがあれば、威厳のある人たちを配置して……。
テープ
カット!!!
新しいものを使うときの「特別感」を大切にすることができるのです。威厳のある人たちもにっこり。
または、引越し先で新しいチェアが部屋に届いたら、普段だったら何も考えずに座っちゃうところですが、これがあれば、威厳のある人たちを配置して……。
テーーーープ
カット!
たいへんよい気分で新しい家具をお迎えすることができる。
この威厳のある人たちがいれば、新しい家電を使う前や
引越し先の玄関で
気軽にテープカットができるというわけです。
おわりに
「無限テープカット」のおかげで、いろんなものを祝うことができました。生活の中に“お祝い”があると、気持ちに張りが出そうですね。
そもそもゆとりがないとお祝いすることってできないから、なるべくちょっとしたことをお祝いできる精神状態を保っていきたいなと思ったりもしました。
それにしても、このテープカットおじさま4(フォー)がなんだかいとおしくなってきました。部屋のインテリアとしてこれからもおじさまたちと仲良く生活をしていきたいと思います。みんなもよかったらつくってね!
著者:藤原麻里菜
頭の中に浮かんだ不必要なものを何とかつくり上げる「無駄づくり」を主な活動とし、YouTubeを中心にコンテンツを広げている。2016年、Google社主催の「YouTube NextUp」に入賞。2018年、「無用發明展- 無中生有的沒有用部屋in台北」を開催。総務省異能vation採択。でも、ガールズバーの面接に行ったら「帰れ」と言われたことがある。
Twitter:@togenkyoo
編集:はてな編集部
素材画像:PIXTA
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